2021年3月、Beeple氏のデジタルアートが約73億で落札されたというニュースが世の中を駆け巡りました。
そのBeeple氏の作品は、NFTアートだといいます
「あぁ、なるほど。NFTアートね。それなら、納得だ。」と、言えた人が当時、どれほどいたでしょう。あれから1年経過しましたが(2022年4月現在)、NFTを理解している人が、そう増えたとは思えません。
「いったい、NFTって、何なのさ?」
「なぜ、注目されているのかしら?」
「利益は出せる?70億とはいわないけれど、あわよくば、1億くらいなら簡単に行ける?」
「その売買方法は?」
ほら、さっそく危険な考えを持っている人が混ざっています。正しく理解するために、ごく基本をお話ししていきます。
☆NFTとは・・「Non Fungible Token」の略。非代替性トークン
直訳したところで、なじみのないワードに変わりはありません。造語者の、「一般人に理解できない言葉にしてやろう。」というたくらみに負けてはいけません。一歩ずつ、進んでいきましょう。
まず、「非代替性」とは「たった一つの」と理解して大丈夫です。
ただのボールなら代替性はあり、サイン入りのボールだと非代替性なアイテムになります。
そして、「トークン」は、「企業や個人が発行した暗号資産。」です。この場合のトークンは、ブロックチェーン技術(破壊や改ざんが難しい技術)を駆使して安全にデータを記録されています。
つまり、「たった一つの、あなたに権利が移転している暗号資産」なのです。
☆なぜ、今、NFTが注目されているか。
いくつかの理由がありますが、単なる話題性だけではありません。その背景を知ることが、NFTの人気を正しく知るポイントです。
①仮想通貨の人気→ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨が決済手段として、使用できる場面が増えてきています。日本でも、一部の家電量販店で使用できます。短期間での値上がりが期待できるので、投資の対象として注目を浴びています。多くのNFTの購入には、仮想通貨取引所の口座が必要となってきます。
➁デジタル資産の所有者を明確にできる。→あなたが、イラストや動画などのオリジナルのデジタルコンテンツを作成したとします。発行したNFTに、データのアドレス情報を書き込みます。そう紐づけることで、所有権はあなたにあるとの証明になるのです。アナログに例えると、消えない油性マジックで、きっちり記名された体操服?
③デジタルデータに資産的な価値をもたせる→デジタルデータの欠点として、コピーしやすく、改ざんや違法に扱われる点があげられます。しかし、ブロックチェーン技術を使用することで、そのデータを他者が変造することを不可能にする。そのオリジナリティが保たれる、いわば血統書もしくは、鑑定書ですね。
☆「利益は出るのか?」
だれもが、興味津々な儲け話。NFTで利益を出す方法は、幾種類かあります。
①購入したNFTを価格が上がった時に売って、利差を得る。株や金を所有している人には、イメージしやすいですね。安いときに買い、値上がりしたタイミングで売る。値上がり益を得る、キャピタルゲインです。
➁自分でコンテンツを作成して、それをNFTに紐づけて、出品する。冒頭のBeeple氏は、一日一枚の作品を5000日以上投稿し続け、それをコラージュしたものを販売し、75億という金額をたたき出しました。また、有名なアーティストではなくとも、日本の小学生の男の子が夏休みの宿題で作った作品が300万円以上で売れたという実績があります。半面、出品しても、全然、売れないということももちろん、あります。
③NFT関連株を購入
NFTが注目を浴びているとはいえ、なかなかダイレクトに購入するには、ハードルが高いと感じる人が多勢だと思います。しかし、このブームに乗らないのは、もったいないような気がしないでもない、と複雑な胸中を抱えるあなた!そう、そこのあなた!NFT関連株に目を向けるのもアリでないですか?例えば、
●メルカリ・・フリーマーケットのアプリでおなじみメリカリさんが、NFT事業に参入。ブロックチェーンと言う、注目度は抜群ながら、イマイチ理解できない世界をメルカリさんがけん引するということで、一気に身近な存在になりませんか。いずれ、顧客同士で、売買できるまでの視点もすでにもっての参入のようですよ。
●マネックスグループ・・ネット証券大手。子会社にコインチェックを持つ。コインチェック会社は暗号資産やブロックチェーンにより新しい等価交換を生み出し、さらなるテクノロジーの実現を目指しています。
●GMOインターネット・・中小企業向けインフラ支援とネット広告。暗号資産事業。日本円でも対応してくれる。(銀行振込、クレジットカード決済可能)
☆NFT売買方法は?
まずは、仮想通貨を所持しないといけません。大きなステップは五段階です。
①仮想通貨取引で口座を開設する。
取引をするためには資金と手数料が必要です。その通貨である仮想通貨、イーサリアム(ETH)が必要となります。EHTを購入するための口座開設なのです。初心者にはCoin check
がおすすめです。
➁仮想通貨ウォレット(メタマスク)を作る
そのイーサリアムを保管するのが、ウォレットです。パスワードも必要になります。そのパスワードの担保してくれる「シードフレーズ」は紙媒体でも保管しておきましょう。
③取引所から、ウォレットにイーサリアムを入金する。
購入したイーサリアムをウォレットのアドレスに送信。残高が更新されるので、確認する。
④コインチェックNFTやGMOコイン、Open seaなどのNFTマーケットプレイスとウオレットを連携させる
・コインチェックNFTは、既成アートの売買での利益を出したい人
・Open seaは自分でNFTアートを作成して販売したい人
マーケットプレイスにログインするために、メタマスクを接続させる。
⑤出品する。NFT作品を売買する。
以上です。出品するもよし、売買するもよし、所持して楽しむのもよし、財産として、値上がりを待つのもよし。いいことずくめのようなNFTですが、問題点から目をそらしてはいけません!
・投機性が高いため、詐欺まがいのサービスが作られるリスクが潜んでいること。
また、それを取り締まる地盤がまだできていないこと。被害にあう可能性がだれにでもあります。
・ガス代(手数料)が一定ではない。取引が増えれば、手数料が増え、減れば、手数料も下がるという。こちらも改善の余地が多く、システム側の姿勢が問われています。
・所有の実感を持てない。劣化しないというメリットがあるデジタル資産だが、実態を伴っていない特性から、所有欲を満たされないという感情面での問題は未解決といえるかもしれません。
NFT、まだまだ、新規参入者に間口の広い分野といえそうです。アート作成に自信のあるかた、余裕資金をお持ちの方、もしかして今がチャンスかもしれませんね。